2013年12月28日

あの一丁に馳せて AK47

あの一丁に馳せて AK47

同志 ミハイル・カラシニコフ氏の死を悼んで

1900年代というのは、どの業界においても実に「良すぎる設計」が頻発した時代であった。

小火器・重火器・戦闘車両においても例外ではなく、今でも恐らく一線で使える代物がゴロゴロと出てきた。

そして何を隠そう最先端を突っ走っていたのは栄えあるロs…ではなくナチス・ドイツのファシスト共である。

塹壕からボルトアクションと砲(あとせいぜい機関銃)で長時間撃ち合うのが主流だった戦争に

「弾をバラまく」というコンセプトを短機関銃・突撃小銃というカタチで生み出し、電撃戦を得意とする、

現代の地上戦のあり方を作ってしまう程の先見の明を持つナチ党。

こんな強烈な相手と戦わなければならなかったスターリンはさぞや苦心しただろうし、

このショックがあったからこそ、世界中に流布したこの小銃をカラシニコフは作り上げることができたのだろう。

あの一丁に馳せて AK47
AK-47、結果として最小の大量殺戮兵器になった因果な小銃。


単純にして簡易な設計が、極地での使用でも問題を見せない耐久性・整備性を誇る…のは3型から

「銃製造にプレス加工は死亡フラグ」なのは天下のAKも例外にはなれない。

技術的に遅れを取っていたソビエトがSTG44の製造を丸々模倣するのは流石に無理があったのだ。

それでも、完成され共産圏全土に普及した47が偉大な小銃であったのは変わりないし、

今やアメリカまで普及し、スポーター達の財布に優しい最高のお供にまでなった。

ロシア軍の標準弾薬が変化した現在でも基本設計が変わらず生き続ける不朽の銘銃である。


と同時に、AKには熱心な「コレクター」が存在する。そう「芸術品」として収集する人々が少なからずいる。

あの一丁に馳せて AK47

ベトナムで対峙することになる16の家系は、非常にシステマチックなデザインだ。

良くも悪くも無駄がない見栄のない、実用品としてタクティカルギアとして完成された美しさがそこに残る。

だが新品のAKを手にした当時の赤軍達が、

なんと美しい小銃だ…!

…と感服したかどうかは知らないが、それ以上のものを秘めるのがAKの魅力だと私は思う。

カーヴィーな木の温かみ・古さと、直線的な鉄製レシーバーの冷たさ・真新しさ。

なのに二次大戦中のような悪い意味での「時代遅れ感」は微塵もない。

これら二要素の融合を例示するのにAK-47を避けて通ることはほぼ間違いなく不可能である。

あの一丁に馳せて AK47
/あの…元ネタの俺はどうなるんです?\

君はファシストだな?さぁ、 シ ベ リ ア で の 楽 し い お 仕 事 が待ってるぞ。


その一方設計者の想いとは裏腹に世界中に分散してしまい、余計に血を吸うことになったAK。

むしろテロリズムの顔になってしまった不朽かつ不遇の傑作でもある。

「あくまで国防のために、国境線を守るために使って欲しい」、そうインタビューで嘆くカラシニコフ氏の姿もあった。

それでも自分の発明に対して決して誇りを捨てなかった、その誇りは今も燦然と輝いている…

Avtomat Kalashnikova…人類が決して忘れることのできない一丁である…

あの一丁に馳せて AK47




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Posted by ライアン at 00:14│Comments(2)あの一丁に馳せて
この記事へのコメント
おー、この画像はやはり強い印象がありますね・・・
カラシニコフ氏が掲げる東京マルイAK47。
かまえただけでさも実銃のようです。
僕もこのニュースには驚きと悔しさを押さえきれず
記事を書いてしましました。
AKはエアソフトガンでもとても人気です。
18禁に目覚めた中高生が最初に買う電動ガンは
ほとんどがA(ゴフッ
この大きく湾曲したマガジンや熟成されたフォルム。
やはり人気の火を絶やさないのでしょう。
ウラジーミルと共に。合掌。
Posted by 少年兵ノギー少年兵ノギー at 2013年12月28日 00:31
>ノギー様
このAK、エアガンだったんすね…正直画像はググって拾ってくるんでいついつの画像かまではわからんのです(´・ω・`)
初手で16系買う人はよっぽど愛着があるか、兄弟や知り合いが「カスタムしやすいから」で勧めたかでしょうね。どっちにも行かず552や14買う一部バカも居ますがw
Posted by ライアンライアン at 2013年12月29日 23:38
 
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