2012年08月08日

あの一丁に馳せて M1911

誰が何と言おうと、やはり私は1911が大好きだ。

あの一丁に馳せて M1911

長所はもちろん、101年前の設計という古さから来る短所も含めて大好きだ。


先々代の制式拳銃であるコルトM1892の時代、

米比戦争におけるモロ族との戦いで.38ロングコルトの制圧力不足が指摘され、
(単に兵士が拳銃に不慣れで当てれなかった、という説もあるが)

大口径のストッピングパワーが求められた結果生まれた傑作。

以来、「.45教」とでも呼ぶべき、信仰の的にまでなった。

.45ACP仕様を出さないと米国でハンドガンが売れない、という逸話さえあった。

今ではそこまでひどくないらしいが。

この未来さえもジョン・ブローニングは見据えていたのだろうか。

あの一丁に馳せて M1911


街中の一銃砲店だったのが、ウィンチェスターライフルの礎を築き、

世界初のダブルカラムマグを採用した拳銃を産み出し、
(完成させたのはFNのサイーブ氏だが)

彼が作った機銃の汎用性とコスパを超えるモノは未だ登場しない、

アメリカが生み出した鬼才である。

彼が万一存在しなかったら、銃市場が、現代戦が、全く違う様相を見せていたかもしれない。


ブローニング氏が予測できなかった銃器の「革命」は2つ、

9mmParabellum弾とポリマーフレームの流行であろう。

.45と遜色ないエネルギー量、小口径ならではの程よい貫通性、

ダブルカラムとの最適な相性、そして確実にマイルドな反動、
(とはいえリボルバーで9mmParaを撃つとなると話は別らしい)

38SUPERならまだしも、1911の9mm弾仕様と言われると強烈な違和感を感じる。

ユーロピアンオートが9mmであるのがアイデンティティであるように、

1911は.45でないと個性を失うモデルだからだ。

そこに止めを刺すのがフレームのポリマー化。

1911やM9が約900gなのに対してGLOCK17やXDM-9は約600~700g。

軍用と司法機関用、と分けて考えると一緒くたにはできないが、

携行装備が軽く、整備しやすいのは現場としては嬉しいはずだ。


100年前の「究極」は、現在の「時代遅れ」となりつつある。

それでも、M1911が博物館の片隅で風化してしまわないのは、

常にニーズを獲得し、保持してきたそのカリスマ性、

そしてシューターが愛してやまないその拡張性(カスタムしがい)故であろう。




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Posted by ライアン at 17:02│Comments(2)あの一丁に馳せて
この記事へのコメント
誠に申し訳ありませんが、1911に9mmパラベラム弾仕様は存在します。
(クローンのみならず、コルト純正にも)
有名な所では、シルヴェスタ・スタローン主演の
「コブラ」にて、主人公が使うコルトゴールドカップナショナルマッチは
9mmコンバージョン仕様です。
Posted by ミリブロ見ました at 2012年08月09日 23:13
>ミリブロ見ました様
ご指摘有難うございます。
9mm確かにありますね…無かったはず、と何故か思い込んでました。申し訳ないです。
.45と10mm(ドマイナーですが)のイメージが強かった分かもしれません。
Posted by ライアンライアン at 2012年08月10日 00:34
 
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